● 「素数」の神秘化を助長するマスコミの役割

 『「素数」に魅せられて』という2017年 A新聞(1/26付朝刊)の記事で、『「2017」は「虚数」を使うときれいに因数分解できる』とありました。
 「虚数」を持ち出されると一般人は弱いので、「リーマン予想」のように、「素数」も、もしかしたら「複素平面」上にある神秘の数か?と想いを馳せてしまいがちですが、そんなことはありません。

 「ダブル素数年」の平成29年も、

$$29=(5+2i)(5-2i)$$

ときれいに因数分解できます。

 因数分解できない「素数」のほうが多いですが、それは、「複素数」にはまったく関係ありません。
 2乗数列によって、たまたま現われた現象であり、「素数」の中に虚数できれいに因数分解できる数が存在しているのは、数学的にも簡単に証明できる、当たり前のことです。

 最初の「素数」で、唯一の偶数「素数」である「2」も、「虚数」できれいに因数分解できる「素数」の1つです。

$$2=(1+i)(1-i)$$

 「3」は無理のようですが、次の「5」もできます。

$$5=(2+i)(2-i)$$

 これは、少し見方を変えれば、「ピタゴラスの定理」です。

$$(\sqrt5)^2=2^2+1^2$$

 「三平方の定理」が成立しているだけのことで、「虚数」は入れてみただけで、展開すれば相殺される仕組みを持った因数分解の公式、

$$X^2-Y^2=(X+Y)(X-Y)$$

が利用されています。
 したがって、これは「虚数」や2次元の「複素数」のフィールド(「複素平面」)にはまったく関係のない話であって、すべては1次元の数直線上に現われる現象です。
 
 電卓のなかった時代に数学を学んだ私達の世代には、昔懐かしい、ものさしに刻んだ目盛りを擦り合わせて計算する計算器、「計算尺」で事足りる世界です。
 「三角関数」も、「計算尺」で計算できます。
 あの東京タワーは、「計算尺」1本で設計されたのだと、高校生時代によく先生に聴かされました。
 
 それどころか、すべての「素数」は「1」以外にも、分子を「1」として「自然数」を分母とするすべての単位分数で、きれいに割り切れます。