「Wi-Fi」は、もっとも広く普及した無線LANの規格です。その基本的な仕組みと変遷、仕様についておさらいしてみましょう。

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「Wi-Fi」とは

 「Wi-Fi」は、「Wi-Fi Alliance」(米国に本拠を置く業界団体)によって、国際標準規格「IEEE 802.11」に準拠するデバイス間の相互接続を保証する認定名称です。「IEEE 802.11」規格に準拠する「無線LAN」と「Wi-Fi」は、技術的には同じものです。
 「Wi-Fi Alliance」による認定業務は2000年から始まりました。したがって、すでに15年以上の歴史があることになります。

「Wi-Fi」ロゴ

 「Wi-Fi CERTIFIED」の認定とロゴの表示は、あくまでもブランドです。「Wi-Fi」ロゴがなくても、接続性になんの問題もない「無線LAN」デバイスは、いくらでも存在します。
 また、「Wi-Fi」という言葉は、あくまでデバイス間の接続性を認定した名称なので、本来はインターネットに接続しない「ローカルネットワーク」であっても、「Wi-Fi」の呼称を用いることにはなんの問題もありません。

 逆に、携帯電話の回線を、「Wi-Fi」を用いて複数のデバイスで共有する「テザリング」の機能を、「Wi-Fi」と呼ぶケースもあります。
 しかし、厳密には「Wi-Fiをローカルデバイス間の通信に利用したテザリング」です。インターネット(WAN)につながるかどうかと、「Wi-Fi」の間には、なんの関係もありません。

「Wi-Fi」の歩み

 前述の通り、本来「Wi-Fi」とは、「IEEE 802.11」シリーズの規格に準拠する「機器の相互認証性の認定の名称」です。しかし、もはや技術、サービス、モバイル機器のテザリング機能、そして機器そのものまでを包括する言葉に成長しています。
 そこで、本稿でも、「IEEE 802.11準拠の無線LAN技術」を「Wi-Fi」と呼称します。

■ 最初の規格「IEEE 802.11」

 最初の規格「IEEE 802.11」は、1997年6月に策定され、「2.4GHz帯」の無線だけでなく、「赤外線の物理レイヤー」もサポートします。しかしながら、公称通信速度「2Mbps」(実効速度は半分以下)と低速で、また対応機器が少なかったため、一般には普及しませんでした。

■ 爆発的に普及した「11b」

 免許不要で扱える2.4GHzの「ISM帯」を利用する「IEEE 802.11b」は、公称通信速度「22Mbps」と、10倍に高速化され、安価な拡張カードが発売されたこともあり、普及が進みます。

■ 5GHzを使い高速な「11a」

 1999年10月、「11b」と同時に、「5GHz帯」を利用する「11a」も策定されました。
 「11a」は、ほぼ倍の周波数帯を用いており、初代の「11」との互換性を捨てた最新の信号変調方式「OFDM」(※)を投入することで、通信速度を「54Mbps」にまで高速化しています。

※Orthogonal Frequency Division Multiple:直交周波数分割多重方式