グーグルの「Tango」テクノロジがサポートされたスマートフォン『PHAB2 Pro』が11月1日にLenovoから発売が開始されました。
(法人は販売代理店経由オーダー受付中で、コンシューマーはWEB経由で購入可能)。
そこで、今号では「Tangoテクノロジ」の振り返りと『PHAB2 Pro』の体験レポートです。

■ eegozilla

「Tango」とは

 「Tango」はグーグルのR&D部門である「ATAP」グループが2014年2月に発表したモバイルデバイスに人間が感じるのと同じレベルで物理世界をナビゲートする(空間認識させる)機能を持たせることを目指したプロジェクト。
 2015年にグーグル本体に移管され、本格的に商用化に動きました。

グーグル「Tango」

 グーグルが定義する「Tango」のコアテクノロジは以下3つにあります。


・Motion Tracking
・Depth Perception
・Area Learning


 これらの機能を「コンピュータ・ビジョン」や「画像処理の技術」「特殊な視覚センサ」を駆使することで、「Androidのプラットフォーム」に新しい形で与え、空間認識を実現させようとするものです。

『Project Tango Tablet Developer Kit』

 この「Tango」テクノロジを実現するアプリを開発するために、デベロッパ向けとしてGoogleストアから『Project Tango Tablet Developer Kit』(以下「DevKit」)が発売されていました。
 日本ではこの『DevKit』を購入することは不可能で、「Tango」テクノロジをサポートしたアプリをつくるためには、開発できるデバイスがリリースされるのを待ち続けなければいけない状況でした。

「Tango」を正式採用したデバイス『PHAB2 Pro』

 2016年6月にLenovoより「Tango」テクノロジをサポートしたファブレット『PHAB2 Pro』が発表され、日本でも発売することが9月アナウンスされています。
 また、10月のCEATECではこの『Phab2 Pro』が展示されました。

Lenovoより発売開始された『PHAB2 Pro』

 『PHAB2 Pro』は6.4インチという比較的スマートフォンとしては大画面のディスプレイで、CPUはSnapdragon652(「Tango」仕様エディション)により動作しています。
 また『DevKit』と同様に通常のカメラ、深度カメラ(TOF方式)、モーショントラッキングカメラ(DFOV 166°)が搭載され、これにより「Tango」テクノロジが実現しています。

 筆者も『PHAB2 Pro』を実際に検証してみましたが、以下のような特徴がありました。


・4mくらいまでスキャン可能
・壁やオブジェクトをリアルタイムに認識で
きる。
・認識したものを点群データとして取得することでメッシュなどで再現できる。


 一方で以下のような弱点もありました。


・白熱電球などの照明下のスキャンは苦手
・真っ黒の物体や光沢などの反射するものが苦手
・窓などの透明のものは空間として認識


 また、「Tango」テクノロジを使ったアプリは非常にパワーを必要とするためか、アプリを起動したまま、バックグラウンドで放っておくと非常に熱をもってしまい、デバイスがかなり熱くなってしまいます。
 当然そのときの電池の消耗は非常に大きく3時間くらいで切れてしまう感じです。

 ですから、ユーザーとしてはバックグラウンドであまり放置しないことが必要で、アプリ側としては、今後はバックグラウンドのときの処理を対策する必要があると思われます。